独創的な家に1
「鉄板だとか亜鉛だとか、価格が安定していてある時点になったら分解できて簡単に移動できるものを、建築家は専門家としてもう一ぺん検討してほしい。
いま使っている住宅の材料では、つくる過程であまりにも手間がかかりすぎます」
川合さんのこの家は、前に書いたように基礎も土台もなく、だから法律的にいうと建築とはいえない。
なぜそうなっているのか。
その理由もまたきわめて独創的である。
それは次のような次第だからである。
家やソファー 通販などの家具というものは五〇年、六〇年、いや一〇〇年ももつものをつくったにしても、世の中の変動についていけるとは限らない。
実際、都市開発などのために強制的に引越しさせられる場合もある。
基礎を深く掘って大地に根を下ろしたら、そうした時動きがとれなくなるではないか。
大地とつながっていなければ、ヘリコプターで運ぶこともできる。
それに、基礎がなく、構造上一応大地と縁を切ると、地震の時の危険もなくなる。